鈴木よしのりプロ昇格。この事は、鶴屋さん、昔からの練習仲間、パラエストラ千葉ネットワークの様々な方々にとって、感慨深い嬉しい事だと思います。
鈴木よしのりとの初期の会話で、印象に残っている会話があります。
パラエストラ松戸がまだ松戸駅近くにある頃、鈴木よしのりが入会したてで、自分は全日本を優勝してプロに上がりたての頃、ジムからの帰り道、駅まで偶然帰り時間が一緒になった時。
鈴木 『同じ年でプロになってるなんてすごいなー』
松根 『いや、頑張ればなれるもんですよ、気持ち次第で絶対なれます。プロ目指すんですか?』
鈴木 『まあどうせやるからには、なれればいいですけど』
そんな会話の後、入会して3ヶ月程度の鈴木よしのりが、自分も知らぬ間に不意に東日本フレッシュマンに応募し、出場する事になっていました。
練習も毎日してるわけじゃなくぼちぼちだったので、結果はバックチョークで秒殺負け。
その時は、あーこの人は修斗を軽く考えてんだな。ジム自体長くつづくかなー・・・と思っていました。
しかし、それから週2回程度、鈴木よしのりは、趣味程度に練習を続けていました。
初めの頃は内気な性格だったけれど、同時期に入会した藤田博明と意気投合してからはだんだんとジムのムードメーカー的な存在になり、練習も続けていたのでだんだんと形になってきて、試合にもぼちぼち出場し、勝ったり負けたり。
そんな時間が4、5年過ぎてから、趣味程度に続けていた鈴木よしのりが、『全日本アマチュア修斗に出たいなあ』と、ようやくプロシューターを意識しはじめました。
就職もしていたけど、バイトに切り替えて、練習を毎日来て試合はあれば出る。
大宮フリーファイト、松戸フリーファイト、東北選手権、関東選手権、中部選手権、中国選手権、時には1人でわざわざ八戸までいってワンマッチにも出場したりして、鈴木よしのりはパラエストラ松戸だけに限らず、アマチュア修斗界でも名物となり、プロのアマチュアシューターなんて呼ばれたりもしていました。
プロシューター昇格への大会、アマチュア修斗の最高峰、全日本選手権は計4回の出場。
一回目は二回戦敗退。とりあえず全日本に出れるまでになったし、また来年頑張ろう。
全日本二回目は一回戦敗退。だめだった、もうだめかな、やめようかな。
全日本選手権は年に1回しかないため、受験などのように、終わったらまた一年間待たなければいけない。
かといって、全日本に皆必ず出れるとは限らないので、一年間ワンマッチや地方選手権に出場し、全日本出場権を獲得しなければならない。
周りの励ましもあり、結局やることはこれしかないと、さらに試合を重ね、何が何でも優勝する、と背水の陣で挑んだ3年目の全日本。またもや一回戦敗退。
このとき修斗でプロに上がるために、人生の全てをかけていた鈴木よしのりは、これまでにない絶望感に包まれたことだと思います。
時の運もある。本当に厳しい厳しい世界。年も年だし、就職もしなければいけないし、負けたら辞めますと伝えていた鈴木よしのりは、とりあえず気楽に、仕事をしながら気楽にまた試合に出てみよう。
そう決めて、昨年11月、プロへの敗者復活のような形で行われた西日本オープン選手権。
結果は鼻に強いストレートをもらい、鼻骨骨折、一回戦TKO負け。
アマチュア修斗生活でもこれほどの怪我はなく、全日本よりもさらに深い絶望感。結局やることはこれしかない。急がずに気長に考えるしかない。鼻を治し、今年初めにワンマッチに出場。
1R右のクロスを打った時に骨に異常を感じるも、試合を続け僅差の判定負け。
試合後病院に行き、手の甲を骨折。手術をして全治6ヶ月。全治6ヶ月ということは、今年は全日本出場権を賭けた地方選手権の出場も危うい。
人生は思い通りにはいかない。もう何度も何度も感じた絶望感。神様なんていない。自分もそう感じました。
それでも、手の状態は微妙な所だけれど、今年最後の地方選手権である岡山県での中国選手権に出場。
ストレートは出せないが、ジャブとローと寝技だけで挑んだ一回戦。あれだけジャブの練習をしたのに、練習でもバンバンあたるジャブなのに、試合では1つも出せずに判定負け。右手の怪我のストレスは思った以上で、今年の全日本出場権は獲得できませんでした。
しかしこれまでの戦績47戦26勝21敗というアマチュア実績が評価され、推薦選手として今年の全日本に出場できることになりました。
正直ここ最近の試合をみる限り、本人の試合での状態は良くなく、スランプ気味。全日本もここ数年でも一番良くない状態で挑みました。
ここ数年のトーナメントは全日本でのトラウマか、一回戦が一番の山になっていたけれど、打撃でとりつつテイクダウンもとり、何とか勝利。3年ぶりの全日本での一勝。
続いて二回戦。それとは限らないが、プロ昇格を大きく左右する二回戦。
打撃も出来る柔術紫帯の選手に対し、ジャブ、ロー、ヒザ、そして右のストレート、これまでにない良い動きで2回戦突破。
この時点で自分はもう泣きそうになりましたが、まだまだ目指すは優勝。
全日本での初めての準決勝進出、打撃系の相手に対しタックルにいくことなく、4分間フルに打ち合い僅差の判定勝ち。
アマチュア修斗生活本当に色々あった。東北選手権優勝。度重なる挫折。怪我。
本当に本当に色々あったけれど、あの鈴木よしのりが、全日本アマチュア修斗で決勝進出。
対戦相手はパラエストラ葛西代表の、アマチュア修斗ではライバルといってもおかしくない、廣瀬さん。
満を持して挑み、1Rタックルを切り続け、ジャブロー、ストレート、ヒザ。
3分間を終えた時、このまま行ける、優勝できる、と頭を優勝の文字がよぎり、迎えた2R。
勢いがついた鈴木よしのりは、更にパンチのコンビネーションを付けて熱く打ちにいった所、廣瀬さんのタックルが決まり、パスガード、サイド、押さえ込み。
攻める気持ちを忘れることなく、なんとかガードに戻すが、またもパスガードされ試合は僅差での判定負け。
最後に、1R同様に冷静にパンチをだしていれば、ガードに戻してパスガードされなければ、結果は違っていたかもしれないけれど、全ては頑張って攻めた結果。
本当に素晴らしい決勝戦でした。
本当に本当に長かった。
アマチュア戦績51戦29勝22敗。
諦めなければ夢は叶う。
努力は報われる。
念ずれば花開く。
決して才能があるとはいえませんが、努力をしきれない時もありましたが、強い執念でのプロライセンス獲得。
諦めなければ夢は叶うということを、鈴木よしのりは身を持って、長い年月をかけて証明したと思います。
プロシューターになれたということが大きいけれど、諦めずに夢を叶えたということが、この先の人生にとっての誇りになる。
恥ずかしいけれど、こんな男のそばにいれたことを自分自身幸せに感じます。
皆さん、鈴木よしのりに会った時は、おめでとう、と誉めてあげてください。
次はプロ一勝を目指して、また一緒に頑張りましょう。